情報処理/ITシステム活用の世界で、「最も古くて新しい問題」、それがデータストレ
ージ問題である。より大容量で、かつ廉価なメディアを強烈に求めては来たが、意外やメ
ディアライフ(メディアの生涯)をトータルで考えては来なかった。メディアサプライの
プロ イメーションが提唱する次世代メディア管理論「
MLCM
」を聞いた(編集部)。

 「一括解決策」提案の背景

 本誌 MLCMが最初に発想されたのはいつですか。

 西田 2003年のことです。昨今情報セキュリティ対策が喧伝される中、漏洩問題が強く意識さ
れるようになっています。本格的なネットワーク時代にあってネットワークを通じての漏洩問題
が増加する一方、メディアを介しての情報漏洩リスクも後を絶ちません。

 そこで、データメディアを導入し、それらを運用/活用し、保存/保守し、最終的に廃棄するま
でをトータルに管理していく必要があると考え、一括解決(トータルソリューション)策として
ご提案することと致しました。

 本誌 要するに、メディア製品の「ゆりかごから墓場まで」をトータルで管理する発想をしない
と今日的なセキュリティ対策も含めた最適なメディア管理ができなくなっているということですね。

  西田 その通りです。
  本誌 具体的に、MLCM概要を教えて下さい。

 メディア導入ステップ

 西田 どういうタイプ(種類)のメディアにしろ第一ステップは、まず「メディアを導入する」
ことから企業等組織の貴重かつ重要なデータの管理は始まります。 

企業等ユーザーの皆様が、それぞれの用途に合わせ、最適なメディアを選択し導入できるよう、
私どもでは最先端のメディア製品群を開発、準備してきています。

因みに、大規模なデータセンターで活用される大容量の磁気テープおよびオプティカルなメディ
アから、持ち運びに便利なフラッシュメモリ、リムーバブルなハードディスクドライブといったメ
ディアまで、実に豊富なメディアがあります。

用途、システム環境、各種条件にメディアを最適化(カスタマイズ)をサポートするためMLCM
では次のようなサービスを提供しております
。つまり、

■イニシャライズサービス

■バーコードラベルサービス

RFIDタグサービス

■セキュリティタグサービス

です。


メディア運用ステップ

 さて次がメディアの運用活用段階ですが、ここでは実に様々な対応の場面があり、昨今話題の情報漏
洩対策に代表されますセキュリティ対策などを含めて、慎重な対応が必要とされています。

 それだけに、ただ単に記憶媒体としてのメディアというだけでなく、メディアのタイプに応じた最適
な運用方式が必要とされています。
MLCMでは、最適な対応策をご案内したり、アドバイスをご提供す
るべく準備をしています。

 例えば、次のようなものが含まれています。


RFID管理システム

■不正持ち出し監視セキュリティゲート

■搬送・保管用ケース(データガード)

■データリカバリーサービス

LTOヘルススキャニングサービス

 本誌 メディア管理はエンドユーザーには見えませんがデータセンターの重要な作業ですからね。

 西田 改めて言うまでもなく、データや情報はメディアに収納しておくだけではなく、整然と管理
され、適確な活用ができる環境におかれている必要があります。

 そのためには、メディア媒体自体が整然と管理される必要があります。そのために用意されたRFID
管理システムでは、タグが見えない位置にあっても、たとえ複数のタグであっても一括で認識されます
ので、メディアの入出庫、棚卸し作業が効率的かつ正確に実施できます。

 同時に、不正持ち出し監視ゲートと組み合わせることでセキュリティレベルの高い運用管理を実現す
ることが可能です。

また、万一読み込み不能になったデータを可能な限り救出/復旧するサービス、さらにはメディア自
体の寿命もありますので、カートリッジの交換時期やドライブの使用頻度をお知らせするサービスもメ
ニューに入っています。

メディア世代交代ステップ

 大規模なデータセンターにおける運用のプロフェッショナルには常識的なことでしょうが、メディア
に書き込まれているデータ内容は、永久保存できるわけではありません。

 どうしてもデータ内容は一定時間の経過とともに劣化します。そこで、同一メディアであってもデー
タのリライト作業など、データの保全/保守の作業が必要です。

その最大規模なものが、旧世代メディアから新世代メディアへの変換、異なるシステムプラットフォ
ームのメディアへのデータコンバージョンです。

MLCMでは、データコンバージョンサービスをメニュー化することで、適切な対応を致します。
また、そうした場合の様々なケースに対応したコンサルティングサービスも行っています。

メディア廃棄ステップ

 本誌 問題は、その後ですね。

 西田 その通りです。

 個人情報保護法、J-SOX法に基づくITシステム内部統制など、企業等組織を取り巻く環境は、データ
管理の最終局面であるデータの廃棄、その媒体であるメディア廃棄に対して、非常に厳しい監視の目が
注がれて来ています。

 特に、廃品業者などにメディアの廃棄を丸投げアウトソーシングした場合、監視の目が行き届かず情報
漏えいの脅威が付きまとうという問題があります。 

 同時に、データメディアの安直な燃焼処分などは、CO2排出/地球温暖化対策などの観点から、厳しく
見直しがされています。

 そこでイメーションでは、セキュリティ対策、CO2問題、安心かつ完全なメディア処分を実現するため、
日本カーボンオフセットさん、いずみ商事さんと連携することで「データ消去安心サービス」をご提供す
ることと致しました。

 この「データ消去安心サービス」とは、メディア媒体を無酸素釜の中で密封燃焼させることで、


■オンサイトでの完全なデータ消滅によるセキュリティ対策、

■処理過程で排出されたCO2のカーボンオフセット処理、また実際のCO2発生量自体の低減、

■データ処理後の生成物(炭)のリサイクル(発電所で燃料活用)、


 といった、3つの今日的社会問題をすべて解決できるものとして、大企業、地方公共団体などから大きく
注目を集めています。

 本誌 究極のデータ消去/メディア処理だという事ですね。

 西田 従来、メディア活用では、常に大容量で利便性の高いものの導入ステップだけが一義的に考えら
れてきましたが、今後は導入から最終的な完全で安心な廃棄までを一括解決する
MLCMの考え方を推進し、
メディア回りに関することは何でもイメーションに相談していただきたいと考えています。